- ICL手術は何歳から何歳まで手術を受けることができますか?
- 日本眼科学会の屈折矯正手術ガイドラインでは18歳から手術は可能ですが、一般的には20歳くらいからと考えられます。また40歳以降では老眼も考慮する必要があります。詳しくは「ICLを考えている方へ」を参照ください。
- ICL手術は近視がとても強かったり、逆に軽くても受けられますか?
- ICLのレンズ度数規格は-1.0~-18.0Dと幅広く、軽度から最強度近視までのほとんどの方の眼に対応することができます。日本眼科学会屈折矯正手術ガイドラインの適応では近視の度数は以前は-6D以上でしたが、2019年2月の改訂により要慎重ながら-3D以上に適応が緩和されました。ICL手術は以前はレーシックができない近視の強い方が手術の中心でしたが、近年はレーシックが可能な中等度近視の方で手術を希望する方も増えています。
- 円錐角膜と言われましたがICL手術は受けられますか?
- 以前は円錐角膜の方はICL手術は適応外でしたが、日本眼科学会の屈折矯正手術のガイドライン改訂により、進行の停止した軽度の円錐角膜や円錐角膜の疑いの方は要慎重ですが手術を受けることも可能です。ただし円錐角膜の程度や年齢、矯正視力などによって手術の可否が違いますので、円錐角膜の治療もしている施設でよく相談することをお勧めします。
- ICL手術が受けられない場合にはどのようなことがあるのでしょうか?
- ICL手術も屈折矯正手術ですから、レーシックと同様に白内障や眼底疾患など他の眼疾患があると受けられません。このほかレンズを入れるスペースが狭い場合(前房の深さが2.8mm未満の方)は、手術を受けられないことがあります。
- ICL手術を受けると老眼になりやすいのでしょうか?
- ICL手術によって老眼になりやすくなることはありません。ただし40歳以降の方で度数の弱いメガネやコンタクトレンズで生活していた方で、術後に良い視力になると既に始まっていた老眼の症状が現れ、近くが見にくく感じることがあります。手術を受ける場合は、それぞれの方のライフスタイルに合わせた視力を目標にしてもらうように執刀医に相談しましょう。詳しくは「ICLの合併症」を参照ください。
- ICL手術は入院が必要でしょうか?通院はどのくらい必要でしょうか?
- ICL手術は入院は不要で日帰りで受けられます。術後の検診は、翌日、1週間後、1か月後、3か月後、6か月後、1年ですが、それ以後も1年に1回は検診を受けることをお勧めします。詳しくは「ICLを考えている方へ」を参照ください。
- ICL手術はどこの病院でも受けられますか?
- 日本で唯一厚生労働省が認可した有水晶体眼内レンズはICLだけですが、ICLの執刀にはライセンスが必要です。クリニックのホームページでICLのライセンス医師が執刀している施設を探しましょう。ICLの執刀医のほとんどが白内障手術も施行していますが、万一の合併症にも対応してもらえるように白内障手術などの内眼手術の経験が豊富な施設で受けることをお勧めします。
詳しくは「ICLを考えている方へ」を参照ください。
- ICL手術の術前検査は1回で済みますか?
- ICL手術は眼内に入れるレンズの度数決定が大切です。コンタクトレンズや眼鏡でも作成時には度数を変えて装用を繰り返して最終的な度数を決めるように、ICL手術でも日を変えて二回は視力検査をします。正しい度数のレンズを入れないと近視や乱視が残ってしまい、入れ替えなどの再手術が必要になることもあります。
- ICL手術は検査当日に手術を受けることが出来ますか?
- ICL手術は検査当日に手術をすることはお勧めできません。ICL手術は眼の中にレンズを入れる内眼手術ですから、術前に抗生物質の点眼をしないと感染症の恐れがあり、一般的には手術の3~4日前から1日3~4回抗生物質の点眼をして感染症の予防をします。また前述のようにICL手術は度数決定が大切ですから手術前に2回の検査が必要です。
- ICL手術では手術中や術後に痛みはありますか?
- 手術の麻酔は点眼麻酔だけですが痛みはほとんどありません。ただ手術当日は眼がしょぼしょぼしたり、しみるような感じはありますが、痛みはありません。そして手術翌日にはわずかの違和感以外はなくなります。
- 手術後は直ぐに見えますか?
- ICLは眼内コンタクトレンズと言われますが普通のコンタクトレンズと違い手術ですから、手術当日はぼんやりではっきりとは見えません。手術翌日にはかなり鮮明に見えるようになります。
- 手術翌日は仕事ができますか?
- 手術翌日は仕事を休んでください。デスクワークの方は手術翌々日から仕事が可能ですが、汗をかいたり重労働の方は手術後3-4日は休みましょう。
- ICL術後に合併症や治療が必要になることはありますか?
- 以前のホールのないICLでは術後に白内障や緑内障を起こすことがありましたが、現在のホールICLではそれらの合併症はごくわずかです。ただしICLには度数とサイズがあるので、ごく稀ですが術後にレンズの度数やサイズが合わず入れ替えを必要とすることがありますので、常日頃から白内障手術を施行している施設で受けましょう。詳しくは「ICLの合併症」を参照ください。
- ICL手術を受けても白内障手術を受けられるのでしょうか?
- ICL術後に加齢に伴い白内障になった場合、眼内レンズの度数を決める検査や手術も通常の方と同様に受けることができます。手術の際にはまずICLを抜去して、そのあとは通常の方と同じ白内障手術になります。
- ICLのレンズが眼内で割れたりずれたりすることはありませんか?
- ICLは柔らかいので眼内で割れることはありませんが、格闘技などのように激しく目をぶつけた場合は稀にレンズがずれることがあります。その際はレンズを元の位置に戻す必要があります。
- ICLのレンズのメンテナンスや入れ替えなどは必要なのでしょうか?
- ICLは清潔な眼内に挿入されたレンズですから、汚れたり傷ついたりすることはなく、特にメンテナンスや入れ替えの必要はありません。また、万一不具合が生じた場合や自分に合わないと感じられた場合は、レンズを取り出すことも可能ですが、眼の手術ですから慎重に検討しましょう。
- ICLは抜去すれば眼は元通りになりますか?
- 万一術後に何らかの問題が生じたり期待した視力が得られずにICLを抜去した場合は、手術前と同様にメガネやコンタクトレンズで視力を矯正することが可能です。
- ICL手術の費用はどれくらいですか?
- ICLの手術には健康保険が適応されないため、治療費用は全額患者様のご負担(自費診療)となります。レーシックに比べ眼内レンズの費用が高く、そのほか内眼手術に必要な清潔操作のできる環境や器械、スタッフも必要ですから、レーシック以上に手術費用が高くなります。過剰なコスト削減や低価格の手術は安全性の低下につながる危険性もあるので注意しましょう。
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